「安東!!触るな!!」



てっちゃんが、いつもの爽やかボイスでない
少し低い声で言ったの

それから、いつもの爽やかボイスで


「森永、具合が悪いなら
保健室に行ってこい」


いつの間にか、震えが止まっていた

てっちゃんの声を聞いたからだね




それでも、ここに居たくなくて



カバンを持って、保健室に向かった


保健室には、あっちゃんだけだった


「帰りたい」



ワガママだよね

困らせるって、わかってるよ

だけど…昨日、陽さんから言われた

どうしても帰りたいときは、あっちゃんの

許可を貰うように!と…


「めぐ?顔色良くないよ?
とりあえず、寝たら?」

「やだ、帰りたい」


チラッと髪の隙間から見えた、あっちゃんは、凄く困った顔をしてた


「ごめんなさい
教室に戻るね」


「え?めぐ!!大丈夫?」



嫌われたくなかったの



だから、教室に戻る前に頭痛の薬を飲み

教室で机に伏せた



てっちゃんが驚いていた



だけど、そっとしててくれた




ごめんなさい











その日は、授業なんて頭に入らなかった











頭がガンガンして、お昼もずっと動けなかった


病気なんだなって


実感した日だった