「さぁ着いたよ、どうぞ入って」
扉が開くとそこは、なんの洒落っ気もない至って普通のリビングのような場所だった。
あたしの部屋と同じくらい、かな…
「適当に座って、今飲み物持ってくるから」
「俺サイダー」
「あ、うちはオレンジジュース!栞里はなに飲む?」
「んー、…じゃあアールグレイで」
「ごめん、それはちょっと無いかな…コンビニで買った普通の紅茶で良ければあるけど」
「そうなの?じゃあそれで」
「ごめんね?」
申し訳なさそうに謝って奥の方へ向かった響。
と、すぐに海斗が口を開いた。
「ぶっ、くくくッ…」
「え?」
「俺、普通の紅茶頼む奴は見たことあるけどアールグレイとか頼む奴は始めての見たぜっ!」
「…」
「それに比べて朱理はオレンジジュースって、ガキだなオイwww」
「いいじゃん、オレンジジュース美味しいし!」
この時、あたしと朱理との僅かな壁を感じた。
するとまた息苦しさが増した。
「お待たせ、はいこれ朱理ちゃんと栞里さんの分」
「ありがと〜!」
「どうも」
「おい響、俺のサイダーは?」
「無かったから自分で買ってこい」
「はぁ!?」
「じゃあ話の続きをしようか」
「いやなにさらっと流してんだよ!」
なんか、響って微妙に相馬さんに似てるんだけど…

