自由を求めて



「悪いけどあんたの鞄から生徒手帳と一緒に預からせてもらっててんだ」

「…どうする気?」

「あ、これももう用無し。だけどこれ返したら後で連絡されかなねないからね、これはまだ預かっとくよ」


と、再び懐に仕舞った。



「あんたのスマホで電話させてもらったよ、電話帳にあった相馬って人、あの人はお付きの人?」

「相馬さんと話したのっ…?」

「あぁ。お宅のお嬢様は預かったって言ったら、『そうですか、分かりました』って、以外と冷静に返されちゃってびっくりしたよ」


相馬さん、あたし拉致られてるのに…


そうは思ったが相馬さんの性格から考えると、納得する自分がいた。




「あんたの家の奴って、なんか冷めてるな」

「相馬さんは感情を表に出さないだけであたしのことは大事にしてくれる、…父さんとは違うんだ」

「え、なに?あんた父親と喧嘩でもしてんのか?」

「別に、喧嘩じゃないよ…」

「ふぅん…まぁ、いいや」


もしかしたら父さんの近くで縛られるより、ここで暮らす方が楽かもしれない…


「そうだ、縄解くからちょっと手と脚こっち向けて」

「…ん」



言われた通り出すと手際良く縄を解き始めた。



「手、大丈夫か?」

「…少し跡も残ってるし痛みもあるけど、平気」

「歩ける?」

「なんとか」

「じゃあ着いて来て。ここに居る間必要な場所だけ案内するよ」



こうって拉致した人と普通に話してるっていうのはやっぱり変な感じ…