目があったのは前にも見たことのあった鋭い獣のような瞳の男。
恭弥だった。
「…浩太、なんでそいつといるんだ」
「へ?…あ、もしかして知り合いなんですか?」
「いや、…知らねぇ」
え…
「そ、そうですか…えっとあのっ、こいつ俺を庇って腕を切られたんです。放っとくわけにもいかなかったので連れて来ちゃいましたけど…あの、…」
「…はぁ、分かった。救急箱貸すから下で手当てしてやれ」
「あ、ありがとうございます!!ほら行くぞっ」
「あ、ちょっ…ッ」
部屋から離れる寸前、チラッと恭弥を見るがもうそこには居なく、ただの扉しか見えていなかった。
…あたしのこと、知らないって言ってたな…
そりゃ一回会っただけで覚えるはずはないけど…
「……痛い」
「あ、悪りぃ、強く引っ張りすぎたか?」
「え?あ、ううんなんでもない…」
別に、特別な感情なんてない。
彼等は朱理の友達で、いつも一緒にいる仲間。
あたしには関係のない人達。
なのに何故だろう
胸が締め付けられるように痛い
息も苦しい
頭がボーっとする
「おい、そこ座れ」
「…あ、うん」
「腕出せ」
「…はい」
「少し痛いけど我慢しろよ」
「…っ、」
痛い
腕もそうだけど
胸はもっと痛い

