自由を求めて



〜櫻子Sido〜



「いやぁぁぁあっ、…あ、……あら?」



無我夢中で走っていたらいつの間にか中庭まで来てしまっていた。



「やだ、わたくしったらッ…ん?あれは、なにかしら?」


教室に戻ろうと後ろを向くと、丁度門の辺りで走り回る男の姿が見えた。


なにかを叫んで、必死に逃げている。




「にしても、なんてお下品な走り方なの、これだから庶民は……えっ?」


その下品な庶民に、ナイフのようなものを持って走り寄る男の姿が見えた。



あ、あれはっ…どうしましょう、警察に電話をっ、…あぁ!教室の鞄に入れたままだわ!



そんなことを考えている間に、2人の間はどんどん詰められていく。


「あぁ、どうしたらッ……って、あれは九条栞里!?」


何故かそこにいるライバル、九条栞里。


「まったく一体なにをして…えぇ?!」



なんと、九条栞里は男達との間に割り込みナイフに手を伸ばしていた。


「ちょっ、なにやってるの!?危ないじゃない!」



そう叫ぶも、九条栞里には聞こえていない。



「ど、どどどうしましょうッ…」


慌てふためくわたくしを他所に、突然現れた九条栞里に驚いた男はナイフを振り回し、そして…


赤いものが九条栞里の腕から流れ落ちる。


そこでわたくしの意識は消えた。