「ぷッ…一体どこからあんな声出るんだか(笑)」
漫画みたいな走り方で逃げた櫻子を見て思わず口から笑が漏れた。
「心霊が嫌いな櫻子がここを選ぶなんて、よっぽど負ける姿を見られたくなかったんだなー」
久々に面白いものが見れて中々笑いがおさまらなかった。
「ハハっ、…あ、そろそろ戻らないと」
笑ったため出てきた涙を拭い、本校舎へと戻った。
スタ スタ スタっ…ガラッ
「九条さんっ!大丈夫でしたの!?」
「心配しましたのよっ」
「お怪我はございませんか??」
「うん、全然平気。なんか櫻子の方が逃げちゃった」
「どうなさったのかしら?」
「それより、九条さんがご無事でなによりですわ」
教室に戻るなりわらわらとくっついて来るお嬢様達にありがとうとお礼を言って席に着いた。
…にしても皆、こんなお嬢様らしくない話し方のあたしにどうしてあそこまで心配するんだろ…
あっ、そっか…あたしが九条だからか…
確か父さん、会社を何個も経営してるって言ってたような…
「まぁ、今に始まったことじゃないけどさー…」
「九条さん?どういたしましたの?」
「ううん、なんでもないよ」
隣の席のこのお嬢様もあたしが九条の跡取りだから、仲良くするように親から言われてるんだろうな…
話し相手がいないよりはマシだけど…

