高校一年生、春。入学式。

みんな、すごく気合い入れてるな……。
スカートみじかっ!なにあの髪の結び方は!?

それに比べて私は……。

考えないようにしよっと……。

それにしても校長話し長いよ~。いすに座ってるとはいえ、疲れてきた……。

気を紛らわすためにいろいろ皆を観察してみよう。
 
そう思って少し視線を横にずらした。

!?

私の隣に座ってる人……。

すっごいイケメン……。

切れ長の目に、茶色がかった、少し長い髪、白い綺麗な肌ーー

なんで今まで気づかなかったんだろう……。

ジーッとその人を見ていると、相手も視線に気づいたらしく、うちを見た。

一瞬目が合う。

あ!

私はすぐに視線を逸らした。

絶対変だと思われた……!

恥ずかしすぎる……!

それにしてもすごくかっこよかった……。

すごくモテるんだろうな……。

それにしてもこの学校の人たちオシャレだなぁ。

私もちゃんとしてくれば良かった……。

宮園春(ミヤゾノハル)、15歳。

肩までついた黒髪、身長普通、見た目普通。

どこまでいっても普通。

浮いてる気がしてきた……。

そんなことを考えているうちに、校長の話は終わっていた。