「七瀬さん、このドレスでいいかしら?」

「わぁ、すてきですね…!
でも私にはもったいないです」

「そんなことないわよ?
よく似合いそう」


おばあさんが勧めてくれたのは薄いピンク色のとっても可愛いドレス。

私が舞踏会へ行くと言ったらわざわざドレスを用意してくれた。


「ってまぁ、もうこんな時間だわ…!」

「本当だ…!急がなきゃ…!」

あと少しで舞踏会が始まってしまう。


急いでドレスを着て、おばあさんにメイクと髪をやってもらい、さらにお城まで送ってもらっちゃった。

本当に申し訳ないことをしました…。


でも、くよくよしてる暇はなぁぁい。

なんたって舞踏会は始まってしまいましたから。

私はドレスの裾を持ち上げて長い階段を駆け上がった。