あ い の う た <実話>

『座れば?』


『あ…はい』


辺りを見回す…


ここが涼介さんの部屋なんだ……。


ギターや大量のCDがあるくらいで、
特別変わってることもないなあ。



綺麗に整頓されてるけど
やっぱり男の人の部屋って感じ。



……って分析してる場合じゃないよね。




『あの、あたし…何故ここに…?』




『んあ?…友達帰った途端めちゃくちゃ不安そーな顔してるし、かといって終電もないだろーから連れてきてみたんだけど』





そうだった…
その後の展開に動揺しすぎて全然忘れてた…




『あ、ありがとうございます…すいません…気を遣わせてしまって…』




『謝んなくてもいーよ。どーせ俺の優しさは下心だし笑』




し…下心…!?





『冗談♪』
涼介さんは悪戯っ子みたいに笑う。



眼鏡をかけてるせいなのかな?



凄く誠実で優しそうに見えるのに、



ライブでは攻撃的で別人だし。
今こうして話してると、なんか意地悪で…



気がつくといつもドキドキさせられてる。