あ い の う た <実話>

『お前人付合いとかあんま得意じゃねーだろ?』



突然の言葉にびっくりしてあたしが声も出さずに頷くと、




『俺も。』
と、涼介さんはにっこり笑った。





『どっか行きたいとこあるー?』



『な…ないですっ』




『あそ。じゃあ俺が行きたいとこね?』



『はっはい…』




なんか変……


なんであたしこんな大変なことになっちゃってんだろ!?




内心ドキドキのバクバクで
よくわからぬまま
涼介さんに着いていくと



いつのまにか住宅街に
入ってきていた。




『着いた。』



『えっと…』



目の前にはアパート。



『涼介さんが行きたいとこって……』




あたしが悩んでいると




『俺ん家。』



答えが返ってきた。





あたしの頭ん中はさらに混乱した。





ファンの子をいきなり家にあげたりするのか?

そういえば…
『女の子だいすき』とか言ってた………



いや、でも涼介
さんはそんな人じゃないっ



でも…いきなり家…?




あたしが葛藤してると、


『入らないの?』




『あ…お邪魔シマス…』



流れで上がりこんでしまった。