あ い の う た <実話>

『あれ…やっぱ友達と一緒に帰れば良かったとか思ってる?笑』


考えてること、全て見透かされてるみたいに涼介さんが聞いてくる。



『さっきまでは[帰りたくない〜]って顔してたんだけどな、笑』





『……涼介さんて…透視能力あります?』



『図星なの?笑 お前が顔に出やすいだけだろ〜』




なんか変な感じ…


憧れのバンドマンとこんなに普通に会話してるなんて…





『すいませーん!』



突然、涼介さんがみんなに向けて少し大きな声を出した。



『女子高生一人で帰すの危ないんで送ってきまーす!』



え!?




『おーお疲れ〜!』
『涼介に食われないよーに気をつけて〜』




いやいや!?





『おらっ帰るぞ?』


訳もわからぬまま
あたしは涼介さんに手を引かれ
居酒屋を出ていた。