あ い の う た <実話>

ライブハウス内を見渡す…


開場してから20分以上経ってるだけあって、お客さんも既に結構入っている。




えーっと…えーっと…



みんなどんな特徴だったっけ?




麻美と二人、たくさんいる人の中から掲示板で知り合った人たちを探す。




『あ!』
麻美が小さく叫ぶ。


『緑キャップはっけ〜ん!』
先に見つけたのは麻美の方だった。




『え〜どこどこ?』
あたしには全然わからない。




『ほら、一番前の方の端っこ!』



『ああ〜〜〜〜』
そこまで教えてもらい、ようやく確認することができた。





『緑キャップって…大輔だっけ?』


『うん、確かそう!』


『…声かけてみる?』



『う……うん。』





あたしたちは、緑のキャップを目印に、人を掻き分け大輔の元へ近づいた。