教室のドアに張り出された名簿でもう一度自分の名前を確認する。




『…よし。間違いない!』



教室に一歩踏み入れると、
そこではもうすでに席が近い子同士で『これからよろしくね』なんて会話がなされている真っ只中。



あたしの席はどうやらベランダ側の1番後ろの席らしい。


とりあえず席につき、荷物を置いて、まわりを見渡す。



隣の席の男の子。
初日にも関わらず寝ている。

前の席の女の子。
初日にも関わらず読書。

斜め前の席の女の子。
初日にも関わらず予習。




話せそうな子…




いない。



でも、まぁ…まだ初日だし。



これから時間はたっぷりあるんだから。




ゆっくり
この場所で…


友達を作っていけばいいや。




あたしは焦ることもなく、ワクワクしながら入学式パンフレットに目を落とした。