あ い の う た <実話>

『痛いよ!離せっうざい!』

田中は容赦なくあたしの髪を引っ張る。


髪が数本バラバラと抜け落ちた。


最低。



『お前学校なめとんのか!?この髪の色!!』



反抗するのはばかばかしい。
あたしは黙りこむ。



『お前みたいなのはこの学校にいらないんだよ』




『染めるのは勝手だから辞めてから染めろ』




『お前みたいなクズがいるせいで我が校の名が汚れるんだ』




『学校の恥だ』




黙って聞いてた。
反論なんかしない。
先生の言う通り。




あたしはこの学校に来ちゃいけない子だったんだ。




学校には期待しちゃいけない。





学校には期待しちゃいけないんだ…


なにも。