あ い の う た <実話>

空腹が満たされると、今度はクラスの話題で持ち切りになった。


『で?ど-なのよ!8組!可愛い子いたっ?』


俺が話を振ると、8組になった二人が顔を見合わせる。



『…微っ妙!』



『そっちはどーよ?』



俺はニヤリと笑って二人に携帯のアドレス帳を見せつけた。



『んあ!?』


10人以上の女の子のアドレス、ケー番。



『数打ちゃ当たるべ!笑』




『すっげ。尚ちゃんやる気まんまんじゃないの〜〜!笑』



正直、特別可愛い子がいたかどうかはよく思い出せない。



初日は自分のポジションを確立して、優位に立つことに専念したから。




『俺ら高校生になっちゃったのよ?楽しまなくちゃね〜♪』




そう。
楽しむことがすべて。


誰かに遠慮したりして
自分が損したんじゃ意味ない。



『おっちゃん!水おかわり!』


俺が威勢よくコップを突き出すと、



『セルフサービスや!』
と、怒られてしまった。




『ひょえ〜俺らここの常連でしょ?これからの時代サービス大事よ〜〜』



『へいへい。食い終わったらさっさと帰れっ母ちゃんに言い付けっぞ。』




『うはっそれは勘弁!』



俺は仕方なく自分でコップに水を注ぎ、一気に飲み干すと帰り支度を始めた。



『尚、本当マザコンだよなぁ〜〜笑』
ゲラゲラ笑う健太とはじめ。



『うっせぇ〜〜』




本当ムカつくわ。



でも、
微妙に反論できない俺………。





情けね。泣