あ い の う た <実話>

入学式帰りに健太やはじめ達とたまり場と化してるラーメン屋『来々亭』に行った。


−カランコロン

薄汚れたドアを開けると、厨房に立つおっちゃんと目が合う。

『うぃ〜〜す』


『お前らほんっと暇だなあ〜』
その言葉とは裏腹におっちゃんはいつも笑顔で迎えてくれる。



『いつもの〜〜!!』
俺達が声を合わせて言うと、おっちゃんは『あいよっ』と返してくれた。


『腹減った〜』だの
『疲れた〜』だの
語ってるとすぐに

『お待ちっ』
ドンっとラーメンどんぶりが並ぶ。


健太はチャーシュー麺。
はじめはワンタン麺。


俺は味噌チャーシュー麺大盛り♪



これが俺達の『いつもの』だ。



無言で麺をすすり、
スープの一滴も残さずたいらげる。



ぶっちゃけ、『来々亭』のラーメンが旨いのか、マズイのか、俺達にはよくわからなかった。



とりあえず、安くて腹いっぱいになるものなら何でも良かった(失礼)