日比谷野外音楽堂に響き渡るリフレイン。




…あいのうた





きっと誰もがこの瞬間、
永遠に繰り返してくれればと、切に願っていた。




そこには愛が溢れていた。





曲が終わってしまっても、終わった気がしなかった。




あたしの心に届いた【あいのうた】はまだ響き続けていた。




きっとみんなの胸にも響き続けてる。




その証拠に、曲が終わっても誰も立ち去ろうとはしなかった。




涼介さんはギターを置くと、深々と頭を下げた。



何度も何度も…



『ありがとう』
と言っていた。




その姿はまるでステージを降りるのを惜しんでいるようにも見えた。