あ い の う た <実話>

『…アイツに話せよ。』




『……でき…ない。』




『それができないなら…別れるしかないと思うよ?』




涼介さんの言葉はもっともらしかった。





別れたくない…
話せない…
一緒にいるのが辛い…




たくさんの感情が、
あたしの中で交差する。






涼介さんに話したから、
答えが見つかるわけじゃないのはわかってた。



それは自分でしか決められないこと。



それなのにあたしは、
誰かに答えを出してもらうのを待ってる。



思えばいつだッて、
あたしはそうだった気がする。



優柔不断で…
受け身で……



自分の力で決める努力をいつも怠ってきたことに今更気がついた。