あ い の う た <実話>

ライブが終わり足早にライブハウスを出る。



涼介さんを振ってしまった以上、本当はもうここへは来ないつもりだったから。






『…ゆなっ』
腕を掴まれた。




振り返らなくても、
誰かわかる。




わからないはずがなかった。





あたしが振り返れずにいると



『あほか!そんなに避けられたら振られた俺がみじめだろ?笑』



頬をむにーっと引っ張られた。





『涼介さぁああんっ』



張り詰めていた何かが
プツンと切れて、


あたしは涼介さんに泣きついた。