あ い の う た <実話>

体育が終わり、昼休み。




あたしは教室の隅っこで尚とお弁当を食べていた。





お弁当を食べている女子グループの輪の中で、
奥田千里が泣いているのが目に入った。





…なんで?




…なんであなたが泣くの?





『…ゆな、なんかあった?』



『ううん。何もないよ♪…奥田さんが泣いてるの、気になって。』




尚の顔つきが少し変化した。






『…そのことなんだけどさぁ…。』




尚は気まずそうに、
話し始めた。