あ い の う た <実話>

次の日の放課後、掃除を終えた尚は慌てた様子であたしのもとへやってきた。




『ゆな〜ごめん!今日一緒に帰れないッ』



『えぇ〜なんで?』




『数学の佐藤に呼び出されちった…。ゆな今日バイトだよね?先帰ってて?』




『…佐藤?尚、赤点取ったの!?』




『そうだったら死ぬ〜。とりあえず行くわ!今日の夜電話すんね!』




『うん。ばいばーい』





なんか尚…変。




一瞬そう思ったものの、
特に気にとめることもなく、



あたしはバイトに向かった。




一人で帰るのは久しぶりで、




音楽を聴きながら自転車に乗るのも




久しぶりだった。