あ い の う た <実話>

あっという間に日曜日はやって来てしまった。



あたしは何日か前に一目惚れして買ったワンピースを着て、待ち合わせ場所の駅にむかった。




『ゆなぁあああ♪』
昨日もおとといも一緒に居たのに、尚はまるで【何年振りの再会】かと周りに思わせるくらい、大きな声で、大きく手を振って迎えてくれた。





『…つーか、ゆなちん今日可愛すぎるくない?笑』
尚の顔がニマニマと緩んだ。




『尚、今変な妄想したでしょ!?』




『バレたかー!笑』




『最低〜笑』





駅から少し歩くと、一軒家が立ち並ぶ住宅街に着いた。



その中の一つが尚の家で、中に入ると一匹の猫だけがあたしを迎えてくれた。



『今日親ふたりともいないんだよね〜』
なんとなく想像してたけど、わざとらしく尚が言うので、



あたしは、
『ルーちゃんがいるもんねー?』
と猫に話しかけた。


【ルーちゃん】はもちろんその猫の名前。



尚は、
『ルーちゃんはあっちに行ってなさい!』
と命令し、ルーちゃんを部屋には入れなかった。