あ い の う た <実話>

それからとりあえずあたしと尚は毎日一緒に帰るようになった。



周りのカップルはみんなそうしてるように見えたから、自然とそうなっていた。



たまに、カラオケに行ったり、映画に行ったりもした。





『日曜…俺ん家来ない?』



こんなカップルらしい言葉が飛び出したのは、
付き合って三週間が過ぎた頃だった。




『尚さ、全部顔に出るから考えてることわかっちゃうんだよね、あたし。』




『え゙!?まぢか…。』




『……だめ?』





『行っても…いい、かな。』




『え!?まじ!?やったあ!!!』


落ち込んだり、喜んだり、スネたり……



尚はコロコロと表情が変わる。



あたしはそんな尚を見てるのが楽しくて、
もっと色んな尚を見てみたいと思うようになってた。




一緒に居る時間の分だけ、【好き】が大きく膨らんでくみたい。




今までに、付き合った事がなかった訳じゃないけど、
こんなに自分から【好きだ】と思えるのは初めてのことだった。