あたしが無数の上履きの中から自分のものを探していると、


尚が走って追い掛けてきた。



『ゆなちんひどいっ俺を置いてくなんて…。』



『ゴメン。まだみんなと話してても大丈夫だったのに…。』




『…愛されてないなぁ〜俺、笑』




『…ゆなちんの感想聞けなきゃ意味ねーもん』




『…客に感想聞いちゃうバンドマンなんて格好悪いよ?』





『別に格好悪くていーよ笑』





『…一回しか言わないよ?』




『××××××』




『え…まじ!?』




素直になりきれないあたしは
尚にこう囁いた。






『鬼太郎じゃなかったら惚れてた…かも。』