あ い の う た <実話>

少し安堵の表情を浮かべた尚は、その後も立て続けに数曲ゴイステの曲をやった。



とても盛り上がり、
途中のMCでもウケていた。




『次〜最後の曲で〜す!』


『えぇ〜〜〜』
わざとらしい声があがる。
学園祭ノリってやつ。



『やべーテレフォンショッキング出た気分なんだけど〜!』



また笑いが起こる。





そして尚が真剣な顔に変わったのを察して、
みんなが黙った。




『今日このライブに出ようって思ったのは、本当最近で、練習とかも全然できなくてさ〜さっきも間違えたけど』




尚が一瞬こちらを見た気がして、
あたしは俯いた。