あ い の う た <実話>

尚は他三人と男の子たちと共にステージへと上がった。



ステージと言っても
かなり簡易に作られたもので決して立派とは言えないステージ。



尚以外の男の子たちは、あたしたちとは違うクラスらしく三人とも見覚えのない顔だった。




『尚…歌やるんだ』




尚は真ん中のポジションに立った。




こっちを見てニコニコしている。




他のメンバーが一通りチューニングなどの作業を終えると、
尚がステージ袖にむかって手を挙げ、合図を送った。





合図を受け取ったスタッフがCDラジカセを再生する。





『あ…自遊人…』




SEは自遊人と同じ曲だった。