あ い の う た <実話>

あたしはその虚しさに耐え切れずに
思わず同じ持ち場にいた子に漏らした。



『あたし…今日誕生日なんだよね〜』



隣に居た子は『ドンマイ』って笑ってくれた。




その時だった。




暗闇で…
どこにいるのかわからない。


けど、確実にあたしを呼ぶ声…




『ゆな〜!俺の声聞こえる〜?』




『う…うん』



尚の声。




『んじゃ-聴いてて!』

そう言って、
尚は歌い出した。