廊下を勢いよく走る。
もう、廊下には人影はなかった。





「はぁ、はぁ…」




柊哉と付き合えて何か変わったと思ったのに、何も変わってないじゃん。
結局、私は何も変われない……








────ドンッ




「きゃっ…」




誰かに当たってしまい
小さな叫び声と共に床へ落ちる覚悟を決めて目を強く瞑った。

だか、床へと落ちる感覚はなく誰かが支えてくれている感覚が腰にある。
ゆっくりと片目を開けると……





「しゅう、き、くん…」





目の前には私の腰に手を回して支えてくれている柊希の顔があった。




「あっぶなかったぁ。栞音ちゃん、大丈夫?」




顔を覗き込む柊希の胸板を押し
何歩か後ろに下がる。



「だい、じょぶ…
ありがとう。」



一言そう言ってその場を離れようとした。










その時だった。