「しゅ、柊哉?」



ズンズン進んでいく柊哉に引っ張られながら長い廊下を二人で歩く。







「ここ」




柊哉が扉の前で止まり
ゆっくりその扉を開ける





「わぁ!」



そこは外へと繋がる扉だった。


噴水やら、花やら、芝生やら
とても素敵な場所だった。
フェンスの前までくると綺麗な夜景。




「すごい、すごーい!
きれー…」

「だろ?」





フェンスに手をつき夜景を眺める柊哉は絵になっていてとっても綺麗で………





「…なに、なんかついてる?」

「え、あっ、いや、何でもない!」




急いで正面を向く。



「栞音」




名前を呼ばれ柊哉の方に顔を向けた時…




────チュッ




瞬くヒマもなく

私は柊哉にキスをされた。

目を閉じるヒマもなく。

優しく触れるだけのキス。





「しゅ、うや?」

「こんなキスも、ロマンティックだろ?」