ふと、ミケの後ろから人が来るのが視界に映る。
こんなところで話してたら通行の邪魔になる…とミケの肩を引き寄せて狭い通路の脇に避けた。
(あ、やばい、無意識に…嫌だったか?)
おそるおそる肩から手を離すと、ミケはゆっくりとその顔を上げる。
「ありがとうございます」
すぐ近くで、声が鼓膜を揺さぶる。
可愛らしい笑顔付きで。
「ここだと邪魔になるから、外行こう」
嫌がられなかったことにほっと息をついて俺はミケに向けて言った。
「はい」
あっさりと頷いて、俺の後ろについて歩く。
背、思ったより高いな…とミケの頭の位置を見て考えた。


