「なんでもないですよ」
「本当?疲れたとか?」
足を止めて、私が近付くのを待って、シュウさんが尋ねる。
疲れた、と言うのは合ってる。
でも違う。体は疲れてない。
疲れているのは心。
よく分からない気持ちに、ついて行けなくて疲れてる。
分からない。
自分の気持ちが。
この引っかかる感じは何だろう?
「ちょっと、はしゃぎ過ぎたのかもしれません」
それでも心配かけたくないから、私は笑った。
「楽しかった?」
シュウさんも優しく笑う。
すごく優しい瞳。
女の子には、こうなのかな?
「楽しかったです」
あれ、
なんで胸が痛いんだろう。
ぎゅ、と締め付けられる胸の中が、なんかモヤモヤする。
なんでこんなに、訳わかんない気持ちになるんだろう。


