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ライブが終わり、俺たちのバンドはそのまま解散となった。
「あ、ごめんなさい」
とん、と肩がぶつかったのを謝られて、その声に反射的に振り返った。
「ミケ…」
「え?…あ、こだまのシュウさん」
思わず口をついてしまって、少し困惑しているミケが俺を見上げる。
「…俺のこと知ってる?」
「もちろん。そちらこそ、私なんて覚えてるんですか?」
そう言ってミケは笑った。
覚えてるよ。だって俺は君の声が……なんて言えないけど。
あぁ、今ミケと話してる。
ミケの声が、直接耳に入ってくる。
(声…)
「喉、大丈夫?痛めてる?」
「えっと、少し…。そんなに声、変でした?」
不安そうに聞き返すミケに、慌てて手振りをつけて否定する。
「いや、全然。いつもと変わらなかったよ」
「そっか、よかった」
ミケはまた笑う。
(かわいい…)
間近に見る笑顔に胸が高鳴った。


