「俺、あれ聞きたい。昨日、二曲目に歌ってた曲」
「いいですよ」
それは私も好きな歌だった。
それに、聞きたいって言ってもらえるのは、とても嬉しい。
(…あ、こういうので好感が上がって好きになるのかな)
私はシュウさんに目を向けた。
モテるだろうから、恋愛とかそういうのに慣れてそう。
あと、男子の意見があるのは心強い。
「シュウさん、後で話したいです」
カラオケで声が聞こえにくいので、耳元に近付いて言う。
「わかった」
同じように私の耳元でシュウさんは答えた。
シュウさん、歌声じゃなくてもいい声だな…。
耳に残った声。だけどすぐに消えてしまって、どこか物寂しい感じがした。


