「ミケは誰狙い?」
ドリンクバーで紅茶のボタンを押していら私にミヤは突然そう言った。
「え?」
「誰が一番かっこいいと思う?」
「別に誰も…」
強いて言うならシュウさんだけど、それはボーカルとしての尊敬の意で。
(…本当に合コンじゃない、これ)
「私、ケイタ君いいな…って前から思ってて。前に言ったことあったよね?
さっきカラオケ行く途中にたくさん話したんだけど、すごく話しやすくて!やわらかい雰囲気がすごく好きで!もっと仲良くなりたくて!」
「わかった、ちょっと待って。落ち着こう」
テンションが上がってるのをなだめると、ミヤはふーっと息をはいた。
「協力してくれる?」
「うん。もちろん」
(女の子だなぁ)
目の前に立つミヤの顔は恋をする女の子で、それが微笑ましく、羨ましいと思った。


