黒羽side



「はぁ、はぁ、はぁ。え、駅で遠い駅に、行こう・・・。」


ピッピッ


「お嬢ちゃん1人かい?」


「あ、はい。叔母の家に行こうと思って・・・」


そうだ。おばあちゃんの家に行こう。
お母さんだっておばあちゃんの家全然行かないし。
全然会えてないから自分から会いに行こう



「1人で行けるかい?」


「はい!大丈夫です!」


ケータイだって持ってるし充電器は・・・。


入ってたーっ!最高じゃん!



ピロンピロン・・・ピロンピロン


(1番ホームに電車が参ります。線の内側でお待ち下さい。)


ガタンゴトンガタンゴトン


電車とか久しぶりだ。



ガーッ ガタン



「おばあちゃんの家に行ったら何をしよう・・・。」


「おいお前。どこまで行くんだ?」


「え?私?」


「そーだ。俺は風翔。朔夜風翔 サクヤカケル 。
お前名前は?」


「桃美・・・黒羽。」


「黒羽か。1人でこんな時間に電車乗ってなにしに行くんだ?」


「おばあちゃんの家に行くの。」


「そっか。偉いな。」


「お兄ちゃんは?」


「俺か?俺は・・・話し合いだ。」


「話し合い?」


「喧嘩してる人達とお話しに行くんだ。」


「そうなんだ・・・。」


「どうした?」


「怪我、したらダメだよ?」


「分かってるよ。話し合いで怪我はしないだろー!」


「でも、お兄ちゃん。すぐ喧嘩しそう。」


「何でもお見通しかぁ。そうだな、俺は喧嘩をすぐするからなぁ。」


(お次は〜。○○駅〜。○○駅〜。)


「あ、降りなきゃ。」


「黒羽!」


「ん?」


「これ、また会うときまで持っててくれ。」


「これってネコさんのネックレス!」


「じゃーな。黒羽」


「バイバイ!風翔兄ちゃん!」



ガーッ ガタン


これが、私と風翔兄ちゃんの出会い
それから私が不良になっていくスタートでもあった。