家出をした私

「華楓。」


「なんでしょうか?」


「これ・・・。鬼蝶のと、特攻服だ、から。」


「ありがとうございます。」


「これで、見回り、行くよ。」


「はい。」


・・・


ガチャッ


バタン


「今日は路地裏をとにかく観察。」


「了解。」


・・・


「おい。金出せや!!ざけんなよ!このクソがっ!」


「す、すみませんっ!お金持ってないんです・・・!」


ボソッ「みーっけ♪」


「あ?んだと!ごるぁ!」


「そこまでそこまで。」


「あ?・・・って!き、鬼蝶!?」


「あ、ウチらのこと知ってるんだ。」


「早く逃げな。少年。後はウチらに任せな」


「あ、ありがとうございます!」


ダッ


「き、鬼蝶さん・・・!その、えっと・・・」


「なんでテメェはカツアゲしてたんだ?」


「か、カツアゲとかしてないですよ!」


「さっきの見たら誰だってカツアゲだって思うわ!考えろハゲ!」


「す、すみませんっ!」


「鬼神・・・。言い過ぎ・・・。」


「華神 カジン 。軽く黙っとけ?」


「いーやっ。」


「あ、てかさ。お前。ウチらのこと知ってるんだね」


「そ、そりゃあ!もちろんですよ!赤髪をなびかせて鬼のような強さで敵を倒す。
俺ら不良の神みたいな存在なので、鬼神と名前がついたんです。
それと隣の方は・・・
元レディースの華蝶 カチョウ さんですよね。
鬼蝶に入って華神になったんですか?」


「よ、良く喋るな・・・。」


「疲れないのか?」


「お前。次こんな事してるのをウチらが見たら容赦なくぶっ殺すぞ。」


「はいいいいい!!!」


「早くいけ」


ダッ



「わぁー。こわーい。」


「華神。しばかれたい?」


「それはこっちのセリフ・・・。」


「なにっ!?」


「私、一応スパイだったんだよね〜。
こーんな服も用意してくれたのは
とーっても嬉しいけどさ〜。
ウチには必要ないかな ?」


「どういう・・・こと」


「鬼神を倒して世界一を獲る。」


「かえ、で?」


「華楓じゃない。私の名前は亜璃咲 アリサ 。華楓は偽名。」


「なんで・・・。なんで騙したの?信用してるって言ったよな?」


「勝手に思い込んでたんでしょ」


「テメェ。傷心えぐるような事しやがってよ。」


「え、なにぃ?逆ギレぇ?マジ笑えるわー。」


ドスッ


「もっかい言ってみろ。」


「って!」


ガンッ


「ぐっ・・・!」


「鬼神を裏切った事を後悔させてやる。」