どんな時も。アタシ。

どうしたらいいか分かんなかった。
実際その時、カズくんとは別れてた。
カズくんの事は好きだった。
今思えば、それは「愛」ではなくて「恋」だったんだけど。

カズくんに全てを話し、中絶することにした。
カズくんにとって、アタシは3人めの中絶させた女だった。
産まれてくるはずの赤ちゃんは、アタシに殺された。
罰なのかもしれないけど、中絶手術の時、アタシには麻酔が効かなかった。
今も思い出せる。
子宮から、何かが引っ張られるような、気持ち悪さ。
それは、アタシの一生忘れられない瞬間だったんだ。