それからはユトと色んなとこへ行った。

例えばケーキ屋。



鈴夢「おいしいね!」

ユト「うん」



遊園地



鈴夢「楽しいね!」

ユト「そうだね!」



他にも動物園や水族園に行った。
全部ユトチョイスだが子供っぽいな〜なんて思ってしまった。

途中でユトについて発見があった。

チェシャ猫のように三日月型にして笑う等
楽しかったり嬉しいと服の裾で遊んだり。

なんか可愛いなーと思ってしまう。


ある日私は可笑しな事に気付いた。

人前でユトと話せば変な目で見られる。

それも私だけ…



鈴夢「ねぇユト。なんで皆、ユトと話すと変な目でみるの?」

ユト「…家で話そうか。」



そう言うユトの声は低くて怖かった。
……………家に帰りさっきの質問に答えてもらった。



ユト「僕ね、存在しないんだよ。」

鈴夢「え?」



いきなり変な事を言い出した。




ユト「僕は君の兄貴でね、君が生まれてから一年後、殺されちゃってさ。」

鈴夢「…お兄ちゃんなの…?…殺されちゃったって…誰に?」

ユト「見知らぬ人にさ。"無差別殺人"に遭ってさ。」

鈴夢「…嘘…」

ユト「ホントだよ。僕は心の冷たいどころか腐ってる人間に命を奪われたんだ。…もっと長く生きていれば鈴夢との思い出も作れたのに…。」

鈴夢「……私も同じ人になっちゃうのかも…」

ユト「それは無いよ。だって鈴夢は優しいもん。いつも笑ってて、温かいから。」



そう言ってユトは私の手を握った。

自分の温かさを知った。