恋の味

「えー、もうだめなんすか?」


「いったでしょ?また明日出直すのね。」


ガラガラ…


「えー!って、入れてくれてんじゃん?恵美(えみ)先生やっさしー。」


「恵美って呼ばないで。もう!何年も同じこと言わせないでよ?」


「言いませんよ。多分…」


「あのねぇ、今にこちゃんが…あ、起こしちゃった?ほら、あなたのせいよ?」


「にこ〜!」


お、お兄ちゃん!


と、おねぇさん先生。


「はい、体温計。」


「はい。起きてたよ。目は閉じてたけど。おねぇさん先生なんでお兄ちゃんと一緒なんですか?」


「タメ口でいいわよー?ほら、覚えてない?にこちゃん達が良くきてたお医者さんの看護婦。」


…知ってる看護婦さんって言ったから、小さい頃からお世話になってる人がいる。


お団子の髪に、メガネのわかーい女の人。


いつからか見なくなっちゃったけど…。


名前はたしか…


「昨年医院長になりました。大園恵美です。昔と同じく、タメ口でいいわよー?」


「うっそ!」


全然わかんなかった!


コンタクトだし、髪もおろしてるし。


髪の色も変わってる。


「そうそう恵美ちゃん♪」


コンッ!


「いってー‼︎‼︎」


コンッていうのは、お兄ちゃんの頭に先生のバインダーが当たる音だよ?


「先生はつけなさい。」


「にこ、大丈夫か?」


「大丈夫!」


ピピピピ…ピピピピ…


「はーい。…36.2℃ね。下がったわね。よかったわ。」


「うん。ありがとう!」