俺も、春風と光輝のようにひたすら走った。


どんどん俺と和恋の温度は上がってく。


学校が見えてきた。


あと少し。


ただひたすら、学校を目指した。


喉が痛い、肺が苦しい。


けど、走るのはやめなかった。


去年、和恋が言ってたことを思い出す。


「もし、来年この学校に行けたらさ、一緒に、完歩しようね?新しい友達も一緒にみーんなで。そしたら絶対、楽しいもん♪」


今年に入っても、にこは完歩を目標にした。


絶対、俺が完歩させてやる!


俺が遅く歩けば、絶対先生が来て完歩の前に和恋を病院へと連れて行くだろう。


その前に学校について、ゴールしたかった。


下り坂は歩き、上り坂は駆け上がる。


アップダウンが最後にあったのはきつかったけど、やっと、学校の校門に近づいた。


驚きの声と悲鳴が上がる。


トラックに入り、ゴールの線を踏んだ。


盛大な拍手と野次馬の声。


それと、先生たちの足音が俺たちを取り囲んだ。