りっくんに拭いてもらっていると、太陽が黒い雲の隙間から光を刺した。


「いけるみんな?」


「えーもうちょいやすもーぜ?」


光輝くんがももちゃんに反論してるところを見ると、光輝くんも回復したみたい。


「にこは、大丈夫?」


「うん。大丈夫。」


ももちゃんはとっても心配そう。


「あとちょっとでしょ?大丈夫だよ。これ以上止まってると、足動かなくなっちゃう。歩ってたほうがましだもん。」


ちょっと強がったかな?


「…体調悪くなったら言うんだよ?」


「えへへ。わかってるって。」


にこたちはあるきだした。


にこたちの他に人はいないみたい。


あの雨の後、ものすごく晴れた空。


太陽がじりじりとにこたちを照らして、体力を奪ってるのは目に見えた。


えーっとね。


実を言うと、にこ大丈夫じゃないんだよね。


歩ってたほうが楽なのは楽なんだけど…体力はもう底をついちゃったみたいだし。


でも、午前中もにこのせいでかなりタイムロスしちゃったし。


お昼の出発だって、にこのこと考えてももちゃんが遅めにしてくれたし。


今だって、だいぶゆっくり歩ってるの、にこにもわかるもん。


ももちゃんも、始めより振り返る回数増えてるし。


「あと少し、がんばろ。」


そう呟いたとき、心配そうに、にこの顔をりっくんが覗いてたことをこの時、にこは知らない。