恋の味

にこは大丈夫だけど、お天気は大丈夫じゃないみたい…。


「ひゃっ!」


ポツポツ…と音を立てて農道に雫を垂らしてる。


「いやーやばくね?」


「雨宿りさせてもらうにも、あと1キロはあるんじゃないかしら?」


光輝くんとももちゃんは地図とにらめっこ。


りっくんとにこは頭にかぶれるものをリュックから探してる。


「にこ、走れる?」


ギクッ!


あんまり走りたくないけど、にこ雨大っ嫌いだからなぁ。


足はもう悲鳴を上げまくってるけど…。


走らないと迷惑かけちゃうもんね。


「大丈夫!」


いつも通り笑った。


にこの長所はニコニコなところだから。


「よっし。じゃあ、行くよ?」


ももちゃん先頭に走り出した。


もう雨はザーザー。


止むことなくにこたちに降りかかってる。


「ふぇ〜ん!」


「にこ頑張って、あと少しだから!」


ジャージも、靴もビッショビショで気持ち悪い感覚…。