恋の味

朝はまだ涼しく、そよ風で木々が震えてる。


3年生がスタートしてから10分が経った。


だから、あと10秒で一年生のスタートなんだぁ。


「カウントダウン始まったね。」


「そうだねー。光輝くんもカウントダウンしてるぅ。」


光輝くん声大きいなぁ。


しかも声が高いから一段と目立ってる。


「5!4!」


光輝くんがカウントダウンするたび女の子は大喜びみたい。


きゃーっと悲鳴が上がってるよ。


なんでだろ?


「ほらほら。にこ、あと3秒。」


にこもやっと声を出したよ。


『3』


『2』


『1』


ピーーーーーーーーー‼︎‼︎‼︎


2年生の先輩の豪快で透き通った笛とともに一歩を踏み出す。


あの、男の先生の声が響いた。


「一年、始め!」