「ん?ごめんなんか言った?」


雨音が強くなって、ももちゃんには聞こえなかったみたい。


「ごめん独り言だから気にしないでぇ。」


本当に、本当に独り言なの。


にこは小さい時から雨が苦手。


ももちゃんの言ってたことも当たってるけど…それはどうにかなるもん。


「はぁ。」


雨の日は憂鬱だな。


晴れてたらいいのになぁ。


晴れの方がにこはもっと笑えるのに…。


「…にこ、大丈夫?」


「ほぇ?」


急に話しかけきたのはりっくんだった。


大丈夫って、にこがかな?


「…体調は、悪くない?」


心配そうにきいてくれる。


にこはいつものように笑った。


「大丈…」


「雨、嫌じゃない?」


かぶさっちゃった。


眉間にしわまで寄せちゃって。


りっくんの綺麗な顔立ちが歪んじゃうよ?


「ふふふ。嫌じゃないよ。でもちょっぴり苦手。」


「…そっか。よかった。」


りっくんがまた髪を撫でてくれる。


りっくんが、にこの髪を撫でるのはもう慣れっこで、嬉しい。


「ありがとう。心配してくれて♪」


にこの頭を撫でる手はとても優しかった。


きっと、いっぱい心配してくれたんだな。


なんでかはわからないけど。


「////////」


あ、目、逸らされちゃった。


照れてる照れてる♪


手の甲で顔隠す時は大抵照れてるもんねりっくん。


顔真っ赤になっちゃうから、あんまりからかっちゃだめだねぇ。