記憶が根強く残った頃の、はじめての別れ。幼稚園なんて、ほとんど覚えてないでしょう?

制服に身を包み、上下関係を初めて身につける学校。私はその新入生だ。知ってる顔、知らない顔、半分ずつぐらい。
入る前、噂はたくさん聞いた。「先輩は怖い」「他校の子はヤンキー」「髪染めてるって」「先生も怖いんだって」
マイナスのことばかりだ。
いざ入ってみると、他校の子は染めてなどいなかったし、先輩も挨拶をしてくれる、先生も。
新入生歓迎会。面白かったし、かっこよかった。
部活はもう決めていた、バレー部。先輩と先生に挨拶をしなければ!仮入部期間から私は頑張った。
「こんにちわ」
男の、いかつい先輩にも言った。が、
「俺同学年だけど?上履きみろよw」
黄色、目が点、赤面、焦り。
「、、みませんでした」
小声でかろうじて返し、逃げるように消えた。

「、、、、、はっず!!!!??」
自問自答、どうしてこうなった。
そう、他校の子はたしかに染めてはいなかったが、いかつい子がちらほらいた。間違えるのもわけない、と言い聞かせた。

次の日、あの人だ。数人の男子の輪の中。かなりイケてるグループの中心人物だった。でも、私がその日見ていたのは別の人だった。