「ねーねー、いいでしょー周防さんー」

「嫌です。やめてください」

「そう言わずにさぁ、一回くらいいいじゃん」

ん?

なんかもめてる?

「ああああのっ!」

気づいたら声を出していた。

「あぁ?」

「っ…そ、その子ものすごく嫌がってますよ!あ、あなたは最低ですか!?」

そこまで言って、段々怖くなってきた。

「お。君も可愛いーね。君の方がタイプかも」

そう言い、男の人が近づいてくる。

首突っ込まなきゃ良かった!!!!!

「っ…い、やっ…!!」

助けてっ!

…希斗っ!!!!!

ーガツッ!

「ゔっ…」

…え…?

「き…と…?」

「女に手ェ出すなんて100年早いんだよ、カス」

そう言うのは、美少女で。

希斗じゃなかった。

この子が助けてくれたの…?

「ん。大丈夫?巻き込んでごめんな」

「いや、大丈夫…」

そう言うために美少女の方に顔を上げたら。

「う、後ろ…っ!!!!!」

美少女の後ろにさっきの男がいた。

「あ、あぶなっ…!」

止めに入ろうとした、その時。

「…受験生なのに、暴行事件、起こしたいですか?」

私の目の前に立つ、大きな背中。

「…き…と…?」