高校生活に慣れてきて、楽しい7月頃。

ふと、美希が言った。

「隣のクラスにさ、顔は童顔なんだけどかなり可愛い子がいるっていううわさ知らん?」

隣のクラスって…希斗のクラスだ。

あぁ、もう。

ネガティブになる…。

「結構古いの持ってきたなー」

そう言う伶菜。

「あれ?そんな前?」

「おう。ウチが聞いた感じではクラスの3分の2の男子がその子に一目惚れだって!」

「……嘘」

「桃ー。大丈夫、大丈夫!王子もってわけじゃないだろうし!」

「でも、女の子とっかえひっかえしてたし…」

「「ああ…わかるかも…」」

でしょ。

見た目通りの人なんですもん。

「桃も厄介なのに恋しちゃったんだね…」

「ほんとーに…」

はぁぁ…とため息をつく。

うわさの美少女と仲良くなっていませんように。

そう、願うしかなかった。