幼なじみのあいつと恋、始めました。

ー希夜sideー

「あー…くっそ……!!!!!いってぇ…」

…わかってたんだ。

桃はずっと希斗兄だけだって。

「…ずりぃな。希斗兄は」

俺の欲しいモン全部持ってるし。

「希夜くん?」

「三吉…」

「桃のこと、辛かったやろ…」

そう言う三吉は、いつもの強気な三吉じゃなくて。

「なに、泣いてんだよ…」

ひたすら涙を流していた。

「あ、あたしもっ…今さっき振られてきたの…」

「え…」

まず、三吉に好きなヤツがいたとは思ってもいなかった。

「…村嶋先生」

「は?」

「あたしの好きな人」

「おまっ…センコーかよ」

「だよね、叶うわけないってわかってたんやけどな…」

そう言う三吉の横顔が無駄に綺麗で。