「桃…好きだ」

そう、耳元でつぶやかれる。

ん?あれ?

「ゔわぁぁぁぁ!!!???」

ーガバッ

ードシッ

「いててて……」

…なんだ、夢か。

少しドキドキしちゃったじゃんか。

「『桃…好きだ』なんてあるわけないっての」

はぁぁぁぁーとため息をつく。

私は、最上桃。

平凡な女子中学生です。

「もーもー!おーきーなーよー!?」

リビングからおっきな声を出すのはお姉ちゃん。

「おーきーてーるーよー!」

負けじと私もおっきな声で返す。