私、死神に魂を売っちゃいました。

そして二人で手を繋いで、女の子の母親を探す。そうして公園をくまなく探して10分ほど。
あたりを見回ていた女の子が声をあげた。

「あっ!ママ!!」

大声をあげて母親がいる方向へ走っていく。
母親がいたのは公園の前にある交差点の道の向こう側だった。

「ココロちゃん!こっちに来ちゃ駄目!!」

母親が叫んでいる。しかし女の子はお構いなく走っていく。
ツバサはハッと嫌な予感がした。

ーー母親は交差点の向こう側にいる。女の子は母親に向かって走っている。道には車が走って来ている……!

ツバサは女の子の後を追う。

「ママーー!!」

女の子はいつの間にか横断歩道の真ん中あたりのところにいる。
信号は赤だった。

ブッブゥッーーーー!!!

突然大きな音が響き渡る。
女の子は驚いて、道の真ん中で立ち止まってしまう。
大型トラックがクラクションを鳴らした音のようだ。
ツバサは焦る。

ーー助けないと!!!

ツバサは全速力で走って、手荒いと思いながらも女の子を突き飛ばした。

キィイィィィッーー!!!

不快なブレーキの音が鳴り響いて、変わりに入って来たツバサをふっ飛ばした。

ドン、と体を揺さぶられる衝撃。体がふっ飛ばされて夕焼け空が見えた。
綺麗だった。
衝撃が再度体を襲い、地面に当たったことが実感できた。次に痛みがツバサの体を襲って意識が遠のいていった。